「ひっさびさに楽しいことになりそうやなあ〜」と前夜、雷までなるほどしっかり降る雨の下で満願の笑みを浮かべる安さん。
不安におびえる柿400のいちかわさん。
まあ、なるようにしかならないだろうと、なんとも気合いの入らない自分。
写真はあそびにいぐべさんから拝借〜
前夜からがっちり降った雨はスタート時点でも、まだ止まず。誰もが雨のギャロップランドの行方にワクワクだったり、神妙だったり。でも、あくまでY2CROSSはお楽しみ優先。そんなこともあって、なんだか楽しい。私にとってはインネンの雨ギャロップ以来。あの、「どーしようもなさ」を再び体験できるなんて、ちょっとうれしい、そんな気持ちでもあった。
スタートはわりと前の方だったんでスルスルと狭い藪のなかを進み、転けないようにとろとろ進む。もうどこもかしこもヌチャヌチャのツルツル。やはり下りはイヤーな感じ。でも不思議と何とかなる。まわりはオレンジの犬さんとかよちゃんとか、Uさんとか、見知った顔ばかり。後はどこかで詰まったらしく、あまり来ない。ドロドロの登りでオレンジの犬さんについて行ってしまい泥パンチを浴びる、一瞬目の前が真っ暗になってUさんにぶつかりそうになる。ここでひとつやり直し。でも、さすがY2コーステープがちゃんと張っていないので、いくらでも脇の草地にラインがある。そっちを行けばなんてことなし。そんなわけで、ラインさえ選べば、全然問題なし。辛いのは、そういう草地の選択肢がないところ。下って登るところで、よちゃんが待っている。登り先がウッズに隠れて見えない。どうも数台もがいてる模様。何となく横の藪から進入していく、でも木立に阻まれて坂の途中に出てしまう。さすがに途中発進は無理。なのでやっぱり下まで戻ってやり直し。チュルチュルでもKTM200のトルクでぐいぐい進む。とにかくアクセルワークをラフにしないことが一番大事。あとはトラクションのかけ方。
なんだか走っていて、妙に気分がいい。まだ一周もしていないけど、どこも自分で失敗した感がない。「いけるじゃん」というか、「いけない」という気がしない。草原も広くて見晴らしもいいし。もちろんこの最大の理由は、填らないラインばかり選んで走るからなので、ちっともスピードは出ないんだけど、どうせスローペースで進んでいるレースの気配から、慌てる気持ちが全くない。
とろとろ進むと、最後の難関。ここを越えれば周回チェックというところ。ここは前日から話題になるほどみるからに問題アリアリ。すでに深いワダチが刻み込まれているし、数台がもがいている。迂回路もあったけど、やっぱ伝説のレースというからには、ここを迂回するわけにはいかないでしょ。しかし、ギャロップみたいに難所専用のマーシャルがいるわけでも無いし、もがいているバイクに対してちょっと人手が足りない。入り口でしばし悩んだ末に、あそびにいぐべさんが、バイクを引き上げているのを見て、「それもよし」と覚悟を決めてノロノロ突っ込む。もちろん一発で登り切るつもりもなし。はまったところで、すかさず手の空いたあそびにいぐべさんを捕まえて、引き上げを手伝ってもらう。これはなかなか大変でした。斜度もともかく、エンジンかけてタイヤを回すと、どこもかしこも下に埋まるばかり。しかたないのでニュートラに入れて人力のみで一番急なところを引き上げ。ようやく少しゆるくなったところをロープとエンジンで何とか脱出。上がったときはヘロヘロでした。あそびにいぐべさん、本当に感謝です。
ヘロヘロになって登り切ったところで、すでにこの場所はショートカットされたようで、みんな舗装路を押してくる。どうももがいた時間の分だけだいぶ損してしまったようだ。ありゃま。
そんなわけで、レース的にはもうどうでもいいや、という感じになり2周目。
一つめの登りで、また渋滞。ここも上がどうなっているのか先が見えない。正しいラインは登って左に曲がるのだけど、ワダチがいろんな方向に刻み込まれている。どうも混乱の上に登ればOKという感じになっている模様。なんだなあ、と思いつつ、その正しいラインに沿って登っていくと、がっぽりえぐれた深いワダチ。そういうことだったのか・・・、ずっぽり填ってしまう。ここでも運良く禁煙バイクさんがニコニコしているので、引き上げヘルプ。助かった〜
その後のワダチの深い檄下り。林道の入り口から見ると中が暗くてとてもイヤな感じのところに数人溜まっている。みるとY嬢とかkikiさんとかここも知ってる顔ばかり、聞くとまだ一周目だそうだ。とりあえず順番待って自分が抜けたところで助けに行こうとしたら、Y嬢は一人で抜けてきた。「大丈夫?」と聞くと「パドックが恋しいです」とかなり消耗した様子。なので、そこから一緒に行くことに。
例によって出来るだけ草地を使って填らないようにトコトコ進む。しかしキャンバーの横移動のところで、Y嬢のタイヤががっちりと巻き付いたツタにタイヤを決められ停止。これはもう見事なまでにツタがタイヤのブロックとハブを噛み込んでいる。抜けるものは手で抜いて、最後に残ったツタを小さいナイフで切る。島ちゃんが通ったら伝説ののこぎりを貸してもらおうと思っていたら、ちょうど島ちゃん登場。しかし、難キャンバーに目がいってしまっている島ちゃんは、手を振る私をちらりとも見ずに通過。まあ、いいかとシコシコナイフでツタを切る。そこにkikiさんも合流して、こんどは3人でスタート。
藪のなかをこいだり、草地を乗り越えて、トコトコ進む。難しい登りも二人ともラインを選べばちゃんと登ってくる。いつもはカットビで消えていくへ〜さんも奥様のサポート。なんだかそんな感じなんだな、とゆっくり進むと、何台か固まっている場所に。芋おやじさんもいて、どうやらレースは2時間で終了とのこと。
ここでY嬢とkikiさんは舗装路使ってパドックへ。
私はそのままコースを使って先に進む。もう難所という場所は全てショートカットされているので、填るところも無し。草草ラインはいくらでもあるし、のほほんと景色を見ながら走っていたらチェッカーフラッグ。げ?そうだ忘れていた。チェッカー受けたらタヌキのワナが?
パドックに戻ると、みんな弾けんばかりの笑顔。そこかしこで「楽しかった」と歓談が繰り広げられる。はまるとそれなりに苦労はするけど、Y2ならではの助け合いもあるし、なにしろほとんどの人が周回している。ある意味、伝説の04ギャロップのような悲劇ではなかったことは確か。時間も短縮になってしまったし。
自分としては、ちょっと走り足りないほどなごやかに終了。
これがギャロップのようにきっちりコーステープが貼ってあれば、草草ラインが使い放題という今回のようなわけにはいかないし、きっちりドロドロのキャンバーと勝負しなけりゃいけないんだろうけど、それでもラインを見れば必ずいけるところはあるはずだと、そういう気持ちは収穫だなと思う。
インネンの、とは自分でも思うけど、結果的はそういうレースにはならなかった。タヌキにもならなっかたし、ドロドロの割には、なんだか爽やかな一日でした。