オートバイ少女

少女なんて出てきません。(ごめんなさい)
鈴木翁二の漫画のタイトルを拝借です。
暑い夏の日、陽炎に消えるオートバイのシルエットは、ハイパーでもスーパーでも何でもなくて、ただ遠いあの日の記憶なのです。
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DAY 2


その夜は、寝返りを打つ度に攣りそうなるほど、SUGOのコースは私のなけなしの体力を奪っていた。
本来なら規定時間でできっちり周回し、テストで攻める。それがオンタイムのレースというものだ。ルートの過酷さは、エンデューロという競技が求める厳しさであって、それを克服することが出場するライダーには最低限のタスクとして求められるものだと思う。厳しさに負けてしまうことは、すなわちレースに負けることであり、勝利とか栄光というのは、その中でさらに切磋琢磨してこそ、得られるものだと思う。
それに比べ、自分の弱さや情けなさは、全くこのレースにふさわしくない。
「駄目出しされに来るレース」○□さんのそんな言葉が、身に浸みる。
予報通り、夜半からしっとりと雨は降ったようで、そこかしこが濡れている。しかし、去年の雨ほどひどくはない。とはいってもほんの少しでも濡れてしまえば、あのヒルクライムも激下りも、充分以上に凶悪な状況になっているに違いない。誰もがそう思っていた。しかし、朝のパドック。そんな軽口を言い合いながらも、誰も準備の手を休めない。たとえ天候が悪くなっても、レースが中断されることは有り得ない。どんな状況になろうとも、立ち向かわない者には、なんの成果も与えてはくれないのがエンデューロという競技だ。

掲示板に昨日の結果が張り出されているという。改めてタイムオーバーした自分を見るのは気が進まなかったが、とりあえず見に行くことにした。C2クラス、ほぼ最下位。しかし奇跡的にペナルティタイムは53分。首の皮一枚、残っていた。
まだ、完走できる。
そう思ったとたん、不思議な気持ちになった。いや、ただただ、うれしかった。

2日目は、あと一周さえすればいい。
ただ天候はそんな安易な考えを、易々とは受け入れそうにない。でもしかたない、それをこなさなければ、何も手に入らないのだし、まだ自分には完走という目標が残されているのだから。

淡々と進むタイムスケジュールに則って、パルクフェルメからマシンを出し、10分のワーキングタイムの間に、泥だらけのチェーンに給油し、少なめだったガソリンをつぎ足す。そして順番に並んだ列を進めると、ようやく自分の前で旗が振られる。
モトクロスコースを過ぎても、森に入っても、コンディションはさほどひどくはない。むしろ走りやすいぐらいな気がした。
それでも、昨日の疲労のせいか、相変わらずのスローペース。そして約束以上のイージーミス。それでも今日はこの一周だけでペナルティタイムが60分もある。もはや順位を気にする必要もないし、走りきることだけを考えればいい。昨日のペースで行ければ、何も問題はないはずだ。

雨で途中何カ所かキャンセルになった区間もあり、決定的に引っかかることもなかったが、それでも中間チェックは遅着だった。遅すぎる。このことだけでも、自分はまだこのレースに本当に参加しているとは言い難い。それでも時々パラつく雨が、後半に何かを残しているような気がして、必要以上に慎重になる。しかし、その不安は現実にはならなかった。恐る恐る進んだすり鉢坂も、昨日とほとんど変わらないコンディション。最後にゆっくりクロステストを走り終え、いつのまにかモトクロスコースに戻ってきた。ここまで来れば、もう難所は無い。
帰ってきたという想いがこみ上げる。素直に、うれしかった。

後半はかなり時間を余らせて帰ってきたため、プレフィニッシュの前で時間調整。そしてタイムチェック。ワーキングタイムの15分は何をやったのか、今考えてもあまり思い出せない。成績でいえば惨憺たるものだけど、どこか浮かれた気持ちだった。
今回からこの部分でも早着のペナルティが付くことになり、慎重に時計を合わせて最終ゴール。マシンをパルクフェルメに入れる。でも、まだチェッカーラッグは振られない。
1日目も2日目も、結局1周をオンタイムで回ることは出来なかったけど、これでひとまず完走はほぼ達成できた。あとは、私にとってはバツゲームともいえる、ファイナルクロスを走るだけ。

パルクフェルメからの戻り道、プレフィニッシュ前で時間調整するコスさんに会う。昨日の朝、がんばれといわれたことがどんなにうれしかったか、そして何とかギリギリの結果だけど、完走出来たことを伝えた。本当に、あれは力になったと、今思い返してもつくずく思う。
| victor | KTM 200EXC | 23:14 | comments(2) | - |
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これからもレースに出て完走してください。
走りきることが全てです。
| コス | 2007/04/28 5:14 PM |

こんなヘタレに声かけてくれたこと、本当に感謝しています。
熱い気持ちは、充分に頂きました。
私も応援しています。
ありがとうございました。
| victor | 2007/05/01 7:12 PM |










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鈴木 翁二
オートバイの好きな人が読んでも、全然おもしろくないかもしれません。ガロって何?といわれると、もはや説明もできません。わかるひとにはわかる、というのでもないです。鈴木翁二、読んでみて下さい。
  

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