ヤマハ DT125 1980(多分)
これもカテゴリーを作っただけでほっぽらかしていた。
じゅげむの管理ページには、検索でヒットした際に使われたキーワードが表示される。これは、と思うものから、ふーむとうならされるもの、そして順当にオートバイの名前が表記される。しかし、かなりの数のキーワードがあるのに、DT125は全然無し。オフロードバイク自体の人気も無いのだろうけど、それにしてもゼロとは・・・
そんな不人気車でありますが、乗った事のある人は、ことごとくほめまくるという隠れた名車でもあります。
クラブマンだったと思うけど、編集長の方が、絶賛している記事が数年前に載っていた。その後、自分で所有しても、全く同感と思った。すっごい、いいバイクです。ホント。
もしかしたら、今までのバイクでこれほど相性の良かったバイクはないんじゃないだろうか?とさえ思えるほど、ぴったり来ていた。
何しろ、操っているときに完璧なまでにライダーの支配下における操縦性の柔らかさは、筆舌に尽くしがたい。簡単に言うと、特にアスファルトの峠道などで、どんなRのコーナーでも好きなスピードで進入して、いっさいの恐怖もなく、思い通りのラインで駆け抜ける事ができるのだ。どう?これってすごい事でしょ!
理由はいくつかある。
一番のポイントは重心位置だと思う。
そして何より、100kgをきる軽さ。
そしてよく動くサスペンション。
林道でもその性能は、私のようなヘッピリライダーにとって、福音であった。
一緒に走ったXR250(ME008.)、ハスクバーナ、WR400、、KTM450、みんな私より経験もバイクもすばらしかったが、砂利の多いスリッピーな細い下りでは、全然負けなかった。軽いから、アクセル開けてがんがん滑らせても怖くない。足だって余裕でつく。
昨年、このバイクで林道に何度も行き、オフロードの楽しさを知る事になったのも、このバイクがあっての事だ。
もちろん、マイナーな部分だってある。2ストならではの加速感は、ともすると街のりではぎくしゃくしやすい。5000回転以下ではほとんど進まないピーキーさも同様。
最高速もせいぜい80km/hちょいだろう。
でも、ピーキーなエンジンも、吹け上がりの良さで、これも楽しいという事になる。
のんびり走らせてくれない性格が、峠道では最高のキャラクターになる。
DT125が欲しかったのには理由があった。
私が高校生の時、はじめて手に入れたオートバイは同年代のMR50という原付トレールだった。そのころは、今以上に暇さえあれば、それで、あちこち走り回ったものだ。河原やダートも走った。とにかくどこにでも行ける、そんなバイクだった。
旧車に乗ったり、すこし排気量の大きなバイクに乗ると、馬力やスピードでは確かに50ccのトレール以上のものがあるが、あの身軽さは失われていた。
楽しさ、とはいったいなんだろう。
それは人それぞれ。
でも、自分にとってはあの気軽さと、爽快感は忘れられない味わいとして刻み込まれている。それが、このバイクに至る一番の理由なのだ。
MR50は、そんな忘れられない思い出のバイクだ。
DT125とMRは同じカテゴリーなのに、なぜか名前が違う。この理由はよくわからない。
デザインも、モノサスも、グラフィックも非常によく似ている。
大きさもそんなに変わらないけど、排気量だけは2.5倍もある。これは楽しいだろうと・・・
じつは黄色も思い出のバイクと同じなのだ。
このバイクは現在同僚のS君とヴィンテージオフロードレースにも出場している。
私もCRF230Fがきて置く場所がないので、一応このバイクをS君にあげようと思っている。もちろんお金はなし。ただし、かってに売らないでね。いらなくなったら返してね。とだけいってある。ただ、最近の若者はクールなのだよね。
別に思い入れもないS君は、そのうち、といいながら、未だに取りに来ないんだよね。
不人気バイク。
そんなわけで、今のところ、DT125はまだ我が家にあります。